■首長、政権交代で動き鈍く 民主は締め付けも
「知事選、参院選とあるが宮内先生の支持される方を勝たせながら、来年4月の選挙(県議選)に当選してほしい」。 1月16日、佐世保市で開かれた自民党県議、宮内雪夫氏の後援会の新春交歓会。ほかの来賓が口々に目の前にいる前副知事、中村法道氏(59)への支援を呼び掛ける中、朝長則男佐世保市長はわずかにこう触れただけだった。 元自民党県議の朝長市長は、民主党の宮島大典氏と自民党の北村誠吾氏の事実上の一騎打ちになった衆院選長崎4区で「市政運営でお世話になった」と北村氏の支援に動いた。結果は宮島氏が当選し北村氏も復活当選。だが直後の市議会一般質問で一部市議からこの行動を追及され「誤解を招いたならおわびしたい」と陳謝している。 知事選について朝長市長は「今回は新人ばかりで衆院選と違う。首長選なので民意に沿って対応したい」と静観の構えだ。このように衆院選で自民党支援の動きが目立った首長の動きは今回鳴りを潜める。長崎3区で同じく自民党の谷川弥一氏を支援した中尾郁子五島市長も、中村氏を支援する「新知事をつくる県民の会」の五島支部事務所開きに姿を見せなかった。 逆に民主党は首長への締め付けを強める。党県連が小沢一郎党幹事長を招き17日に長崎市内で開いた政治資金パーティーには23市町の首長を招待。朝長市長や3区で谷川氏を支援した松本崇大村市長ら出席した12人の出欠を取るように1人ずつ紹介した。ある首長は「出席するか迷ったが他の首長がたくさん来ていてほっとした」と打ち明けた。 27日にも長崎市内に首長らを集め高嶋良充党筆頭副幹事長が特別交付税の優先配分を求める要望書を1人ずつ受け取った。全国の陳情窓口を一元化した党幹事長室が地域に出向くのは異例。高嶋氏は知事選に言及しなかったが県連幹部は「意味は伝わるだろう」と話す。30日には前原誠司国土交通相も諫早と島原半島の計4市長の要望を受けた。 地域の陳情受け付けと知事選支援を絡めた動きに首長からは反発も漏れる。ある首長は「これだけ圧力をかけられれば苦しい。民主党は地方分権を推進すると言うがこれでは中央集権国家だ」といらだつ。こうした批判に民主党県連幹部は「自治体トップは政権与党を応援しないと予算が付かないことがまだ分かっていない。中村氏陣営の自民党や企業、業界トップも締め付けているのは同じだ」と反論する。
2010年2月1日長崎新聞掲載
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