戦後70年ながさき 基地とサセボ  8(完)

海からの上陸訓練をする隊員=10月28日、五島市、高浜海水浴場

ピースサイト関連企画

戦後70年ながさき 基地とサセボ 8(完) 自衛隊の増強(2010年代)

日中緊迫で防衛拠点化

2015/12/25 掲載

戦後70年ながさき 基地とサセボ  8(完)

海からの上陸訓練をする隊員=10月28日、五島市、高浜海水浴場

自衛隊の増強(2010年代)

日中緊迫で防衛拠点化

 白い砂浜とコバルトブルーの海が広がる五島市三井楽町の高浜海水浴場。顔に緑や黒のペイントを施した迷彩服姿の陸上自衛隊員たちが、ゴムボートなどを使って次々と島に上陸。砂浜は瞬く間に、兵士たちで埋め尽くされた。

 10月28日。報道陣に公開された陸海空自衛隊による「統合演習」の一幕。島しょ防衛を主任務とする陸自西部方面普通科連隊(西普連、佐世保市)の隊員らが離島奪回を想定した着上陸訓練に臨んだ。

 尖閣諸島をめぐる日中関係の緊迫化を背景に政府は西普連を拡充・発展させ、2017年度末に3千人規模の「水陸機動団」を新設する。佐世保市の相浦駐屯地には少なくとも二つの機動連隊と司令部が置かれるとみられる。

 隣県の佐賀空港に、陸自が導入する新型輸送機オスプレイを配備する計画もある。中谷元・防衛相は10月下旬、佐賀県知事との会談でオスプレイと水陸機動団の一体的な運用を明言。杉本嘉章相浦駐屯地司令は「機動団は南西防衛の拠点になる」と強調する。

 戦後70年の節目を挟み、自衛隊や日本の安全保障は佐世保を一つの「核」としながら、その役割や形を変えようとしている。

=おわり=