伝言 被爆地から 5

「核兵器廃絶のスケジュールを明確にしてほしい」と語る山田さん=長崎市岡町、長崎被災協

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伝言 被爆地から 5 長崎原爆被災者協議会事務局長
山田拓民さん(78)
核廃絶方向性示せ

2010/04/24 掲載

伝言 被爆地から 5

「核兵器廃絶のスケジュールを明確にしてほしい」と語る山田さん=長崎市岡町、長崎被災協

長崎原爆被災者協議会事務局長
山田拓民さん(78)
核廃絶方向性示せ

オバマ米大統領が「核兵器なき世界」を提唱したプラハ演説から1年。5年前の核拡散防止条約(NPT)再検討会議と比べると、今回は期待感が大きい。実際、雰囲気は変わってきた。

NPTの会議では、核兵器廃絶へ向けて一体どういうふうに歩むのか、何年先の廃絶を目指すのかというスケジュールを明確にしてほしい。プラハ演説のように「おそらく私が生きている間にはできないだろう」ということではなく、具体的な方向を打ち出すことこそが必要だ。

NPTの会議では、そこまで到達しないのかもしれない。だからこそ長崎市で2月にあった第4回地球市民集会ナガサキで議論されたNPT体制から核兵器廃絶を目指す体制へどう進めるのかが大事なのだと思う。

世界では広島、長崎での核戦争被害がどういうものだったか、まだ十分に知られていない。渡米する被爆者には被爆地の状況、身の回りで起こった被害をつぶさに伝えてもらいたいし、目指すべきは核軍縮ではなく核廃絶という思いを強く訴えてほしい。自分たち被爆者は、生きている間に核兵器の廃絶を見届けて、あの世にいきたいんだと。