伝言 被爆地から 3

「核兵器はすべてなくさないといけない」と語る鎌田さん=長崎市目覚町

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伝言 被爆地から 3 長崎の証言の会運営委員 鎌田信子さん(77)
核すべてなくして

2010/04/22 掲載

伝言 被爆地から 3

「核兵器はすべてなくさないといけない」と語る鎌田さん=長崎市目覚町

長崎の証言の会運営委員 鎌田信子さん(77)
核すべてなくして

核兵器は数十万人が一挙に死ぬ特殊な武器だから、一発でもあれば脅威は残る。だから、すべてをなくさないといけない。オバマ米大統領がプラハで提唱した「核なき世界」に向けての動きは「まだまだ」という見方と「大きく変わろうとしている」という両方の見方があると思う。

2020年までに核兵器廃絶を目指す平和市長会議の「ヒロシマ・ナガサキ議定書」(08年4月)について「20年まで待てない」という被爆者の声があった。その時は元長崎大学長の土山秀夫先生が「核兵器は一つのシステムだから、なくすには段取りと時間が必要」と説明し、納得してもらった。でも被爆者の気持ちも分かる。生き残ったのに死ぬまで核兵器があり続けるというのは、我慢ならないことなのだと思う。

00年にあった前々回の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に合わせて夫(故鎌田定夫・元長崎総合科学大教授)と渡米した時、外国は非政府組織(NGO)活動が盛んだなと思った。NGOは国民、市民ということ。NPTは不公平性もあるけれど、世界の心ある市民、NGOは全力を挙げて会議の行方をいい方向に後押しする必要がある。