室伏スポーツ庁長官が講演 長与町の中学部活方針「全国に誇れるモデル」

2023/01/15 [10:45] 公開

室伏スポーツ庁長官が多くのスポーツと触れ合える必要性などについて話した講演会=長与町民文化ホール

 部活動の地域移行に関心が寄せられる中、スポーツ庁の室伏広治長官(48)が13日、長崎県・西彼長与町を訪れて学校関係者ら約400人を前に講演した。長与町は本年度内に休日の中学部活を完全移行する方針を打ち出すなど取り組みが進んでおり、室伏長官は「全国に誇れるモデルになる」と評価した。
 スポーツ庁の有識者会議が昨年5月に部活改革の提言をして以降、長官自ら現場を視察するのは今回が初めて。14日は実際に部活動の練習風景も見て回った。
 講演で室伏長官は「スポーツは義務ではなく自発的であるべき」という考えの下、現状の部活動は結果を求めるあまり、けがや過酷なトレーニングにつながるケースが多く「才能をつぶしている」と指摘。ジュニア期に集中して一つの競技に打ち込む日本の常識を見直し、息長くスポーツと触れ合える環境を整えるべきだと訴えた。
 長与町は教育委員会が改革に前向きで、受け皿となる総合型スポーツクラブもすでに存在。さらにスポーツ庁と人事交流があることなどを追い風に地域移行が進んでいる。吉田愼一町長はあいさつで「子どもたちのため、社会のために、よりよいスポーツ環境をつくっていくきっかけになれば」と述べた。