コロナ3年

2023/01/14 [11:00] 公開

 努力や辛抱の目安を言う「石の上にも…」が象徴しているように、「三年」には「365日×3」の意味を超えて「ある程度まとまった長さの時間・期間」を感じさせるニュアンスがある▲3年前の新聞を繰ってみた。中国・武漢で発生した新型肺炎について、世界保健機関(WHO)が「新型のコロナウイルスが検出された」と認定したのは2020年の1月14日。国立感染症研究所が国内初の感染者を確認したのは同15日▲新型コロナと私たちの日々はとうとう丸3年になった。流行は8回目の「波」のさなかにある。昨日は全国で1日当たりでは過去最多となる523人の死者が公表された▲県内は感染者数2075人、死者が6人。ただ、日々報告されるこれらの数も、市民に何かを促す物差しとしての機能を失って久しい。時間がたてばたつほど、コロナと社会の“現在地”は見えにくくなっていく気がする▲きょうから2日間で実施される大学入学共通テスト、受験者の中心は中学卒業の時期からコロナと並走してきた学年だ。余分な心配事につきまとわれ続けてきた世代、しぶとさや勝負強さに期待しつつエールを送りたい▲それにしても…。「石の上にも-」と総括できそうな前進や達成は実感できないまま、コロナの4年目が始まろうとしている。(智)