JR大村線の千綿駅(長崎県東彼東彼杵町)で3日、「小さな初売り夕市」があった。住民や立ち寄り客が地元産品を購入したり、新年初めて運行したJR九州の観光列車「ふたつ星4047(よんまるよんなな)」を迎えたりした。
同駅は、丸形郵便ポストが残る昭和レトロな木造駅舎と、海辺のホームから見る大村湾が交流サイト(SNS)で注目を集め、乗降客よりも立ち寄り客が多い。昨年9月の西九州新幹線開業に合わせ、在来線で運行を始めた観光列車も10分間停車する。
夕市は、駅構内の生花店「ミドリブ」など地元の10店舗が初めて開き、菓子やイチゴなどが駅舎前に並んだ。ふたつ星などが到着するたびに、特産品を買い求める客でにぎわった。写真愛好家は駅舎や大村湾を背景に列車へレンズを向け、出発時には住民やファンら約60人が手を振って見送った。
そのぎ茶を使った菓子を販売した同町の海月(くらげ)食堂店主、新井明香さん(41)は「ふたつ星以外の旅行者とも、駅を通じて旅の話ができた。列車を見送るのも初めての経験で楽しく、次の機会も出店したい」と話した。