馬蹄形の議場に別れ 64年の歴史に幕 長崎市議会、移転前最後の定例会閉会

2022/12/10 [11:00] 公開

64年の歴史に幕を下ろした長崎市議会議場。記念撮影する市議や市長、市幹部ら

 長崎市議会議場で9日、新庁舎(魚の町)への移転前最後の定例会が閉会し、数々の論戦の舞台となった議場が64年の歴史に幕を下ろした。
 議会事務局によると、現議場は1958(昭和33)年9月に完成し、初の定例会が同月開かれた。議員席は馬蹄(ばてい)(馬のひづめ)の形に配置され、全国でも珍しいという。今回までに定例会と臨時会は計387回開かれ、一般質問には延べ4197人の議員が登壇し市政をただした。

1966年12月定例会の議場の様子。現在はない速記席(中央)や窓(右)がある

 来年1月4日に開庁する新庁舎では、5~6階部分に議場(6階に傍聴席)が設けられる。新たに、ボタンを押して議案などへの賛否を表明する「電子採決システム」を導入し、モニターやスクリーンも設置する。
 9日は現議場で閉場式があり、79年初当選で現在11期目の深堀義昭議長は「時代は変わっても、多くの議員が市民の負託に応えるべく活発な議論を重ねた。新議場でも市当局と共に、新しい時代のまちづくりに全力を尽くす」と式辞を述べた。この直前、4期限りでの引退を表明した田上富久市長は「市長として初めて臨んだ議会で感じた緊張を今も忘れられない」と回顧。「これからも議場は開かれた場として、市民に論点を伝えて結論を生む大きな責任を担う場として、市政を進めるエンジンとなる」と県都の発展を願った。