改正ダイヤ一部見直しへ JR佐世保線特急 所要時間増に地元不満で“異例”の対応

2022/08/11 [11:00] 公開

 西九州新幹線の9月開業に合わせたJR佐世保線特急のダイヤ改正で、長崎県が高速化事業を進めた区間の平均所要時間が増加したことについて、佐世保市は10日、JR九州が改正ダイヤの一部を見直すと明らかにした。地域交通の市議会特別委員会で報告した。
 同線を巡っては、県が佐世保-武雄温泉に約14億円を投入し、現行車両より速度が出る「振り子型車両」を導入する工事に取り組んでいる。平均所要時間の短縮が期待されたが、6月にJRが発表した改正ダイヤでは約2分増加。県と市は不満を示し、JRに改善を求めていた。
 市によると、今月に入りJRから改正ダイヤを見直すと連絡があり、上下32本のうち5本の運行時間をそれぞれ1分短縮するという。市は「ダイヤ改正直後の見直しは異例中の異例」とし、JRの対応を一定評価する考えを示した。
 ただ、ダイヤを見直した後も同区間の平均所要時間はほぼ変わらない。委員は「14億円をかけた効果がないのではないか」と指摘。杉本和孝企画部長は「これでよしとは考えていない。次の改善に向け、引き続き(JRに)申し上げる」と答えた。