諫早市老人クラブ連『じい・ばあ募金』創設 高校新入生に返還不要の奨学金

2022/06/21 [12:00] 公開

PRポスターを持つ大塚会長(右)ら=諫早市内

 諫早市老人クラブ連合会が、地域での青少年育成を目的に、来春の高校新入生から返還不要の奨学金制度「高校生入学一時金給付応援募金事業」(愛称『じい・ばあ募金』)を創設し、募集を始めた。地域活動に貢献してきた市内の中学3年生の中から毎年5人を選び、1人当たり入学一時金として15万円を給付する。保護者の負担を軽減して就学を支援するとともに、地域の人材育成につなげる。
 会員からの募金や個人、団体、企業などからの寄付金を財源に運営する手作りの奨学金事業。今後、本人の申請書を受け付け、11月に採否を決める。市老連は「老人クラブによるこうした取り組みは全国でも珍しいのではないか。子どもたちの活動を応援したい」としている。
 対象は市内に在住し、通学する中学3年生。地域の▽伝統行事▽環境美化・保全▽社会福祉施設訪問▽その他の社会貢献-のいずれかの活動に参加していた生徒から、本人への聞き取りなどを経て選考する。
 採用された生徒には、諫早、大村両市内の公私立高(全日制)のいずれかに入学する際に、15万円を給付。諫早から大村に進学する中学生も多く、進路保障の観点から大村の高校まで対象を広げた。在学中は可能な限り老人クラブのイベントなどに参加してもらい、交流を深める。
 市老連は2020年度から、事業の財源となる募金を開始。PRポスターは、市内の中学生の絵を採用した。大塚梓会長(85)は「子どもたちには自分が住んでいる地域で奉仕活動をしてほしい。自身の居場所づくりになり、日常生活も安定する。事業を通じて、地域活動への関心を高めていきたい」と話している。
 問い合わせは市老連(電0957.24.6100)。