「堂崎港埋立地」 JA島原雲仙に一部売却 南島原市、1億9100万円で

2022/05/20 [11:15] 公開

地域経済浮揚の鍵を握る堂崎港埋立地=南島原市有家町(ODAWARA Film提供)

 長崎県南島原市は19日、2025年度に完工予定の「堂崎港埋立地」(同市有家町、約22ヘクタール)で一部完成した土地(約4万1200平方メートル)をJA島原雲仙(苑田康治代表理事組合長)に売却する契約を結んだ。価格は約1億9100万円。集出荷施設用地などとして利用される。同日の市議会臨時会で承認された。
 埋め立ては県営事業で、雲仙・普賢岳の噴火・土石流災害に伴い発生した土砂などの処分場として1997年に着工。これまでに土砂約133万立方メートルを搬入し約98%を埋め立てた。総事業費は約41億円で市が約8億円を負担。全区画を市が購入する予定。
 JA島原雲仙への売却地は海に面した東側に位置。他の土地は公有財産として管理する。
 土地の利活用を巡っては旧有家町がスポーツ・レクリエーション施設のほか、商業施設、住宅用地など、さまざまな活用を見込んだ開発構想を策定。少子高齢化や地域経済の縮小など社会情勢の変化に伴い、市が産業振興に直結する「流通施設用地」「業務施設用地」に用途を変更した。
 中山間地域が多く森林面積が約3割を占める同市。平たんかつ広大な一等地で利活用へ市民の期待が膨らむ。市は地域経済浮揚の「切り札」として民間活力の導入を基本として、市内外の事業所誘致を進めていくとしている。