長与町「グリーン・ツーリズム」に注力 特産生かし交流人口拡大へ

2022/04/15 [11:30] 公開

町ホームページ上で今月公開が始まった「ながよグリーン・ツーリズム」

 長崎県西彼長与町は本年度から日帰り型のグリーン・ツーリズムに力を入れる。これまで生産者が個別で開いていた果物収穫などの八つの体験事業を、「ながよグリーン・ツーリズム」と一元化して受け付ける。ミカンやオリーブといった町の特産品を生かし、交流人口の拡大につなげる。
 主なターゲットは、町内や近隣市町からの子連れ家族。新型コロナウイルス禍で「3密」が避けられる自然体験がブームとなる中、宿泊を伴わない日帰り型とし、小規模で息の長い運営を目指している。
 町によると、これまでは生産者が個々で体験事業を開いたり、実施したくても参入のハードルが高く、断念したりするケースがあった。そこで昨年11月、町内の生産者やJA長崎せいひ、大村湾漁協などと「長与町グリーン・ツーリズム推進協議会」(柿本香代会長)を設立。今月からの事業開始に向け受け入れ準備を進めてきた。自身もミカン農家の柿本会長は「もともと観光農園のような事業ができればと思っていたが、ハードルが高く難しかった。町の働きかけで挑戦できうれしい」と話す。
 初回は今月16日、同町岡郷でタマネギ収穫体験を開く。その後も年間を通して、ミカンやオリーブ、ブルーベリー、養殖カキといった町特産品の収穫体験などを実施。参加申し込みはすべて町ホームページ内から行う。
 事務局を務める町産業振興課の荒木隆課長は「自然豊かでベッドタウンである長与の特長を生かした事業。ぜひ親子で参加し、食の大切さや地域を知るきっかけにしてほしい」と話した。