自民新総裁に岸田氏 県内政党の反応 与党 コロナ対策に期待、野党 衆院選へ対決姿勢

2021/09/30 [10:30] 公開

 自民党新総裁に選ばれた岸田文雄氏に対し、長崎県内の与党関係者からは新型コロナウイルス対策や国民との真摯(しんし)な対話などを期待する声が聞かれた。一方、野党関係者は安倍晋三、菅義偉両政権と「何ら変わらない」として、衆院選に向け対決姿勢を鮮明にした。
 岸田派に所属する本県選出の金子原二郎、古賀友一郎両参院議員、北村誠吾衆院議員(長崎4区)の3氏は安堵(あんど)の表情。古賀氏は「被爆地広島から首相が誕生する意味は長崎にとっても大変大きい」とし、核廃絶への機運高まりなどに期待した。河野太郎氏に投票した冨岡勉衆院議員(比例九州、石原派)は「世の中に閉塞(へいそく)感がある中で、アクティビティーの高い人を選びたかった」と語った。
 党県連の山本啓介幹事長は「岸田氏が政調会長の時、県連として多くの要望や陳情にうかがい、しっかり話を聞いてもらった」とし、「一番大事なのは国民との対話。その姿勢を期待したい」と述べた。
 公明党県本部の川崎祥司幹事長は「平時を取り戻すためコロナ対策で強いリーダーシップを発揮し、自公連立政権の衆院選勝利に向け取り組んでほしい」と要望した。
 一方、国民民主党県連の深堀浩幹事長は「岸田氏の政策は、新自由主義からの転換など私たちと非常に近く、違いが見えにくい」と困惑気味。だが「独善的な安倍政権の中枢にいた人なので、政策を民主的に進められるのか」と疑問視する。共産党県委員会の山下満昭委員長も「安倍・菅両政権の路線を引き継ぐことになる。これまでの政治と変わらない」と手厳しい。
 立憲民主党県連の赤木幸仁幹事長は、党員・党友票数で河野氏を下回った岸田氏が当選した結果について「国民と自民党の(意識の)差が出た」と指摘。衆院選に向け「本当に苦しんでいる国民の声を受け止め、戦いに挑むことに変わりはない」と気を引き締めた。