「越中先生」との別れ惜しむ 長崎で告別式、250人参列

2021/09/28 [11:00] 公開

越中哲也さんの遺影が掲げられた祭壇に手を合わせる参列者=長崎市、大橋メモリードホール

 長崎学の発展に尽くし、25日に老衰のため99歳で亡くなった長崎市の郷土史家、越中哲也さんの葬儀・告別式が27日、同市大橋町の大橋メモリードホールで営まれた。
 長崎くんちや精霊流しのテレビ解説などで長崎の歴史文化を分かりやすく紹介し、「越中先生」と呼ばれて多くの人から親しまれた越中さん。歴史関係者や親族、知人ら約250人が参列し、最後の別れを惜しんだ。
 1982年に同市桶屋町に開設した長崎歴史文化協会では約36年にわたり理事長を務めた。喪主の妻・京子さんはあいさつで、「(これまでで)楽しかったことは何ですかと聞きましたら、長崎くんちで桶屋町の踊り町をお手伝いした時が一番楽しかったそうです。もう一回くんちを楽しみたいと申していました」と述べた。
 会場ではくんちが好きだった越中さんを送るため、「長崎ぶらぶら節」の演奏が流された。長崎史談会前会長の宮川雅一さん(87)は「長崎の歴史文化をよくまとめられ、私が落ち込んでいた時には長崎学という面白い分野があると教えてもらった。今それが生きがいになって、恩を感じている。誰にでも分け隔てなくお付き合いいただいた。長崎にとって『大きな穴』があき、つらいねえ」としのんだ。