老舗の畳店が定額制カフェ「ヒトカラフル」 会員証で出入り自由

2021/09/09 [12:30] 公開

「学生も主婦も好きなことをして過ごしてほしい」と話すかわら畳店の川良智笑さん=長崎市、ヒトカラフル

 長崎市矢上町の「かわら畳店」がこのほど、定額制のサブスクカフェ「ヒトカラフル」を開設した。手作りのテーブルや古い家具を活用した温かみのある空間にWi-Fiを完備。会員証がカードキーになっていて自由に出入りできる。店名には「人がいろいろな色を出していい場所」という思いを込めており「仕事や勉強、趣味など1人時間を思い思いに過ごしてほしい」としている。
 畳店は創業100年超の老舗。元作業場を改装し、2018年秋から週末限定の「カフェヲモテ」を営業している。川良武徳代表の妻でカフェヲモテを担当する智笑さん(50)によると、店内9席が満席になることも多く、1人で読書などをして過ごす人がくつろげる空間をどう確保するかが課題だった。また、新型コロナウイルス感染拡大で図書館などの学習スペースの一時閉鎖が相次ぎ、学生らの居場所づくりの必要性も感じていたという。
 昨年末から、畳店の隣に所有するビル3階の空き店舗を活用する計画を立て、東長崎商工会に相談。アフターコロナを見据えた新分野展開や業種転換を支援する県の「サービス産業事業再構築補助金」を利用した。広さ約66平方メートルで全16席。テーブルは手作りし、古い家具や、フリーマーケットアプリで購入したインテリアを活用するなどして経費を抑えた。智笑さんは「畳屋がカフェをしてもいい。できる範囲でやっていきたい」と笑顔で語る。
 営業は午前10時~午後10時。従業員は常駐せず、会員証を使って、いつでも入退出できる。個人向けのサブスク会員は月6600円。カフェヲモテ営業中は飲み物が無料になる。会員証は家族で共用可能。貸し切ってイベントや講座ができるワークショップ会員もある。
 詳細はヒトカラフルの公式インスタグラム、かわら畳店(電095.838.3736)。