【インタビュー】東京五輪カヌー日本代表 水本圭治(チョープロ) 「次の五輪も目指したい」

2021/08/18 [14:00] 公開

「あと少しで海外勢に勝てる何かがつかめそう」と語る水本(チョープロ)=長崎新聞社

 東京五輪のカヌー・スプリント男子カヤックフォア500メートルに日本代表として出場した水本圭治(チョープロ)が16日、長崎新聞社や県内の関係各所を訪れ、大会の戦績や成果を報告した。4度目の挑戦で出場を果たした五輪。結果は準々決勝7艇中7着と振るわなかったが、初めて立った夢舞台で全力を尽くした33歳に、レースの感想、今後の目標などを聞いた。

 -五輪を振り返って。
 自分の思い通りのレースや目標としていた結果に届かない以前の、全然歯が立たなかったというのが、すごく悔しい。

 -相手は世界の上位10チーム。これまで出た国際大会よりもレベルが高かったのでは。
 出場国は全部格上ではあった。でも、昨年や五輪出場を決めた2019年世界選手権のころは、今回ほど差は開いていなかった。向かい風だったとはいえ、タイムもこれまでで一番遅かった。

 -出場を決めたのが19年。コロナ禍の影響で五輪が1年延期になった難しさもあったか。
 世界選手権の時はまだ見た目はきれいに漕げていた。昨年4月に1回目の緊急事態宣言が出て活動自粛になり、競技力は一度どんと下がった気がする。そして、今年に入って4人の漕ぎがそろわなくなり、最後の方まで「どうしようか…」という感じできてしまった。

 -個人としては調子も良く、充実していたように感じたが。
 はい。自分自身はこのままだと悔しいので、次の五輪も目指したいという気持ちはかなり強い。

 -五輪で手応えも。
 あと少しで海外勢に勝てる何かがつかめそうな気がしている。日本の漕ぎの技術は、海外の速い選手たちを参考にすることがあるけれど、骨格自体が違う部分があって、動きをまねしたところで同じ動作にはならない。それをどう自分の体格に合わせていけるのかいろいろ試してみたい。

 -競技以外で印象的だったことは。
 閉会式に出ると、いろいろな競技のメダリストが間近にいた。野球の田中将大投手(楽天)は、意外と体が大きかった。選手村はあまり楽しむ余裕はなかったけれど、特別扱いしてもらったような感じがした。

 -五輪でしかできないさまざまな経験をした。
 人生で経験できるかできないか、という貴重な経験をさせてもらえた。会社をはじめ、ここまで導き、応援してくださった方々に感謝しかない。

 -次の五輪に向けて。
 今まで思っていた「五輪に出場したい」というのと同じように、今度は自分のやってきたことで目標を達成できた時の満足感を味わいたいという気持ちが、またさらに膨らんだ。五輪はほかの国際大会とは緊張感が全然違った。その中で結果をどう出していくかを見つけていきたい。もし次も出られたら、その心構えもできると思うので。