コロナ禍と災害 長崎県、自宅療養者らの避難場所確保へ 濃厚接触者2人が利用

2021/08/18 [11:20] 公開

新型コロナウイルス患者 自宅療養者避難の流れ

 新型コロナウイルス禍の中、長崎県内は記録的な大雨に見舞われている。コロナ患者の自宅療養者と濃厚接触者の避難について、県は6月にまとめた手引きを基に各市町と避難場所を確保し、運用している。11日の降り始めから17日午後4時までに避難を希望する自宅療養者はおらず、濃厚接触者2人が避難した。
 県医療政策課などによると、自宅療養者が避難を希望した場合、保健所が県内8医療圏に確保した12の宿泊療養施設(433室)に搬送。濃厚接触者は市町が避難場所を確保する。
 流れは、保健師が事前に▽自宅がハザードマップの危険エリアに該当しているか▽避難支援が必要か-などを確認。5段階ある避難情報のレベル3「高齢者等避難」発令時に、対象当事者に意向を確認する。レベル4の「避難指示」が出た場合は全員に確認する。
 自宅療養者が避難する場合は、感染対策を講じた上で看護師が同乗した公用車で搬送。濃厚接触者の場合はできるだけ自家用車で指定場所に避難してもらい、一般の避難所と区分けする。
 県内の自宅療養者(受診調整中含む)は15日午後7時時点で226人。宿泊施設療養者は127人。
 11日以降、長崎、佐世保両市を含む県内10の保健所の保健師が健康観察の電話連絡の際、意向を確認。避難を希望する自宅療養者はいなかった。濃厚接触者については佐世保市内の2人が希望したため、市が対応した。
 同課は「聞き取りも円滑になされ、搬送手段も整っている。スムーズに避難できるよう努めたい」としている。