被爆者の声 核抑止の力に 終戦の日 長崎で不戦の集い

2021/08/17 [11:00] 公開

核廃絶人類不戦の碑に献花をする参加者=長崎市平野町

 被爆証言の記録に取り組む市民団体「長崎の証言の会」などは15日、長崎市平野町の核廃絶人類不戦の碑の前で「ナガサキ不戦の集い」を開いた。
 終戦の日の8月15日と、太平洋戦争開戦の日の12月8日の年2回開き、78回目。同会事務局長の森口貢さん(84)は、憲法改正手続きを定めた改正国民投票法が6月に成立したことなどを踏まえ、「日本はまた戦争を起こすのではないか」と懸念を示し、「(集いを)決してやめることなく続けていかないと」とあいさつ。参加した被爆者ら19人が黙とうし献花した。
 「不戦の誓い」として、被爆者の城臺美彌子さん(82)が、活水高平和学習部の1年生4人が作った「平和宣言」を代読。「本当に核兵器の使用を抑止するのは、核兵器による悲惨な現実を体験した被爆者の声だけ」との宣言を読み上げた。
 同会運営委員の大矢正人さん(74)は「日本は唯一の戦争被爆国という特殊な立場として発信力を持っている。世界にとって不戦・非核という価値観を発信する国であり続けることが国際貢献になる」と語った。