長崎県営バス10億円赤字に 新年度から平日80便減便

2021/03/16 [10:59] 公開

 県交通局は15日、新型コロナウイルス感染拡大による利用客の減少で本年度、約10億円の赤字になる見込みと明らかにした。赤字は3年連続。経営改善のため、新年度ダイヤ改正で長崎市内を中心に平日の路線バス約80便を減らす方針を示した。
 県議会環境生活建設委員会で報告。減便数は、小林克敏委員(自民・県民会議)の質問に、浜口清営業部長が答えた。
 昨年12月時点では運輸収入が22億円減り、14億円の赤字となる見通しだった。その後、県外高速バスの全便運休などで経費を削減。乗客減に伴う国県市の補助金増額もあり赤字額が縮小した。国が創設した特別減収対策企業債を活用した借り入れは、見込んでいた17億円から12億円に減らす。
 長崎市内などを走る路線バスは平日で約1700便を運行中で、減便は対象となる約20路線821便のうち83便。乗客が減少している午前10時~午後4時と午後9時以降の便を減らす。小林委員は「公営企業として県民の足を守る立場。経営と利便性の均衡をどう図るか」と追及。太田彰幸交通局長は「地元市と、どういうふうに路線を守るかを協議し慎重に効率化を図りたい」と述べた。
 新年度は退職者の不補充で職員を32人減らし、期末手当や時間外手当も削減する。深堀浩委員(改革21)は「運転手は(生活に不可欠な)エッセンシャルワーカー。厳しい環境だが、その処遇は考えてほしい」と要望した。