新人発掘 目指して 「長崎クレー射撃場」 国道沿いに看板

2020/09/13 [12:00] 公開

国道206号線沿いに設置された長崎クレー射撃場の看板=長崎市琴海形上町

国道206号線沿いに設置された長崎クレー射撃場の看板=長崎市琴海形上町

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 長崎市から大村湾を望みながら佐世保市へ抜ける国道206号線沿い。長崎市琴海形上町に「長崎クレー射撃場」と記された看板が立っている。県内唯一のクレー射撃場の入り口を示すため、近くで銃砲店「山感」を営む管理者の田中哲行さん(65)が今年4月に設置した。「新人さんの発掘が目的。問い合わせや見学に来る人も増えてきた」と効果を実感している。

●利用者数減少
 同射撃場は1979年に民間の「琴の浦クレー射撃場」として開設。常連だった田中さんが前任者から場長を引き継ぐ形で、2005年に「長崎クレー射撃場」に名称を変更した。以来15年、個別射撃練習や技能講習、各種競技会やイベントの世話、射撃場周辺の整備などに携わっている。
 国道から射撃場までは約4キロ。途中から細い砂利道も通る道のりは、入り口が分かりづらい。このため、国道とつながる星野菅工設備の場所を借りて、縦3メートル、横0.6メートルの看板を出した。
 設置したもう一つの理由が利用者数の減少。昨年は約千人で、ここ数年の売り上げは下降線をたどっている。県警生活環境課によると、県内の銃砲所有者数も05年の約1100人から、今は約600人まで減った。このうち散弾銃所有者は約500人で、9割は狩猟や有害鳥獣捕獲などに貢献しており、スポーツとしての競技者は1割ほど。近年は女性の割合が増えているという。

●「高台から海」
 競技としては、五輪や国体にも採用されている由緒あるスポーツ。1年延期になった来夏の東京五輪に向けても、注目される機会は増えそうだ。愛好家の1人は「五感を研ぎ澄まし、集中することで心身ともに活性化される。高台から海が見晴らせて景色もいい」と魅力を語る。
 ただ、クレー射撃を始めるまでには、それなりに時間がかかる。各管轄の警察署に申請して、銃所持の許可証を取得する必要がある。公安委員会の初心者講習会を受け、ペーパーテストに合格したら「講習修了証明書」が発行される。それから銃所持の適性があるか厳格な調査を受け、このハードルを越えれば、射撃教習や銃の購入などを経て銃の所持者になれる。
 クレー射撃の県勢は15年和歌山国体のスキートで5位に入って以来、入賞がない。田中さんは「やり始めたい人は少なからずいる。県内唯一の施設を維持するためにも、活動を続けていきたい」と普及に力を入れていく構えだ。