長崎からBリーグ参入へ 当面、ホームは「県内全域」 活動拠点は佐世保市想定

2020/08/17 [11:10] 公開

オンライン会議システムで取材に応じる岩下氏。ホームアリーナが完成するまでは県内全域で試合を行いたい意向を明らかにした=長崎市、リージョナルクリエーション長崎(ジャパネットホールディングス提供)

 通販大手ジャパネットホールディングス(佐世保市)が、男子のプロバスケットボールクラブを設立すると表明した。Bリーグ3部に2021~22年シーズンから参入する方向で申請を済ませている。クラブ設立を担うグループ会社、リージョナルクリエーション長崎(長崎市)の岩下英樹取締役(39)がこのほど取材に応じ、参入当初は県内全域で試合を行い、活動拠点は佐世保市を想定していることを明らかにした。

 -ジャパネットがバスケットボールクラブを持つ意義、メリットは。
 長崎市幸町に建設を計画している長崎スタジアムシティをサッカー(V・ファーレン長崎)以外にも有効活用したいと考えたときに、スポーツや音楽を行えるアリーナが適していた。競技はいくつか候補があったが、Bリーグは盛り上がっているし、地元の若手経営者と意見交換しても求める声が多い。県バスケットボール協会も快く迎えていただき、良好な関係を築けている。シンプルに期待してもらっているし、シーズンは秋から春でJリーグと裏表。二つのプロクラブがあって初めて、年間を通じてスタジアムシティが稼働する。

 -21~22年シーズンの参入であれば、9月開幕なのであと約1年。選手やスタッフ集めを早足で進める必要がある。
 すでに発表したが、しっかりとチームづくりをできるかの観点も踏まえてゼネラルマネージャー(GM)を選定し、伊藤拓摩氏(テキサス・レジェンズアシスタントコーチ兼アルバルク東京テクニカルアドバイザー)に任せることにした。近く長崎入りする。彼の方ですでに選手やコーチのリストがあり、各方面からの売り込みも多い。時が来たら、そういう人たちと話をしていく。所属選手は15人程度を考えている。最低でも12人。スタッフは徐々に増やしたい。

 -トライアウトや地元選手の獲得の方針は。
 トライアウトは未定。長崎出身や、縁のある選手にプレーしてほしいという意向は伊藤GMに伝えている。ただ、それがすべてではない。B2、B1と上がっていく中で戦い方が全然変わると言われている。目標は参入初年度からの毎年昇格。最終的に田中大貴選手(A東京)が来てくれるようなクラブにしたいねという話はしている。

 -Bリーグ加入の審査ポイントは。
 経営面、プロクラブを存続できるかどうかをメインで見られる。そこは大丈夫だと思うが、あくまで審査の最終結果が出るのは来年5月なので、今はできることを粛々とやる。まずは9~10月の早い段階で準備会社を設立し、その会社を将来的にクラブチームに変化させる。クラブ名称も会社設立と同じ時期に決められるはず。Bリーグ側も早めにいろんな話をできることを望んでいる。

 -長崎スタジアムシティが完成するのは24年の見込み。当面のホームアリーナはどう確保するのか。
 幸いB3は制約があまりないので県北、県央、県南に関係なく、いろんな場所で試合をしたい。これを機に離島も含めていろんな場所を回り、チームへの熱量が上がってくれればうれしいと思っている。新たに建設するアリーナの最大収容人数は5千人程度。千人や2千人に抑えたいときは、それに見合ったスペースになるように空間を可動式にするアイデアを設計会社に提案している。日本のアリーナは体育館のような建造がほとんどだが、さまざまな用途に対応できるようにして、試合が開かれない日はコンサートやディナーショーを開けるような、アーティストにも選んでもらえるような箱にしたい。

 -選手たちの活動拠点はどこになるのか。
 大村で計画していたV長崎のクラブハウスにバスケもと考えていたが、残念ながら白紙になった。今のところジャパネット本社がある佐世保をベースに検討している。将来的にV長崎と一緒のクラブハウスになるのかどうかは、少しずつ考えていく必要がある。

 -県内にあるプロスポーツクラブ二つを、どちらもジャパネットが保有することになる。
 サッカーファンがバスケも好きになり、バスケファンがサッカーも好きになり、総合的に盛り上がっていけば最高だ。県南と県北で文化の違いがあって、離島もあって、そこが長崎の難しさでもあるけれど、幸いバスケは一からつくっていける。泥くさくやって、県全体から応援してもらえるような姿勢を見せたい。