濃厚接触者ら57人検査 新型コロナ客船内発症 専門家4人到着

2020/04/22 [00:00] 公開

陽性が確認された船会社社員の症状確認のため、香焼工場に入る県のレントゲン車=21日午前11時20分、長崎市香焼町

 長崎市香焼町の三菱重工業長崎造船所香焼工場に停泊しているクルーズ船コスタ・アトランチカ(8万6千トン)の船内で、外国籍の船会社社員が新型コロナウイルスに感染したことを受け、県と同市は21日、濃厚接触の可能性がある53人と新たに調理スタッフ4人を加えた計57人の検体を採取し、長崎大熱帯医学研究所に搬送したと発表した。検査結果は22日に発表する見通し。
 感染が判明している社員はエックス線検査の結果、肺炎の陰影が確認されず、船内で療養する。県などによると、乗組員は外国籍の船員や船医ら計623人で、船内に居住。通訳の日本人1人も含まれている。濃厚接触の可能性がある53人の中には発熱の症状を訴えている人もいるという。
 中村法道知事は、菅義偉官房長官に専門家の派遣を要請。厚生労働省からクラスター対策班と災害派遣医療チーム(DMAT)の計4人の派遣を受けた。22日には国土交通省の船舶関係の専門家2人も到着するという。中村知事は会見で「外国船籍の船内で発生した経験したことのない特殊な事例。今後の対応は国の指導の下で対策を進める」と述べた。香焼工場にとどまっているコスタ社の別の2隻については「クルーズ船社と離岸も含めて相談する必要がある」とした。