わがまち回顧 上五島支局 大雨で土砂が教室内に

2019/12/25 [09:59] 公開

大雨に伴う土砂崩れにより特別棟に流れ込んだ土砂=9月4日、新上五島町立魚目中

 7月下旬の台風などに伴う大雨で、新上五島町内は崖崩れが相次いだ。このうち同町丸尾郷の町立魚目中(川口博孝校長、87人)は、校舎に隣接した特別教室棟の裏の崖が9月上旬と合わせて計2回崩落。2回目は土砂が教室内に流れ込み機材や建物が崩壊し、使用不能となった。
 町教委によると、7、9月に崩落したのは合わせて縦約24メートル、幅約23メートルで、土砂の量は計約460立方メートルにおよぶ。学校は、使用可能な器具などを運び出し他の教室で理科の実験をしたり、特別教室を使うカリキュラムを後回しにしたりするなどの対応に迫られた。
 雨天が続いたため土砂の撤去作業が遅れ、11月下旬に完了。被災した特別棟は、新年度中に新築建て替えに向け着工する方針という。魚目中の関係者は「行政の対応には感謝しているが、来年の梅雨などを考えると不安」と語った。
 また、今回の被災場所は土砂災害危険区域に指定。一方で、被災した特別棟横の体育館は土砂災害時こそ使わないが、地震発生時などの避難場所になる。地球温暖化による気候変動で、豪雨の発生頻度が増すとの専門家の指摘もある。災害から住民を守るため一層の安全確保が求められる。

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