新幹線長崎ルート 国、アセス費見送り報告 与党PT「佐賀と粘り強く協議を」

2019/12/19 [00:30] 公開

九州新幹線長崎ルート

 九州新幹線長崎ルートで未着工区間の新鳥栖-武雄温泉をフル規格で整備する際に必要な環境影響評価(アセスメント)費用について、国土交通省は18日、与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)に2020年度予算案への計上を見送ることを正式に報告した

 PTはフル規格が適当との方針を確認しているが、衆院第2議員会館であった同日の会合では「やむを得ない」(岸田文雄座長)と了承し、アセス費計上に反対している佐賀県と粘り強く協議していくことを求めた。
 国交省はPTに「佐賀県の了解を得られない限り予算案にアセス費は計上しない」と同県と約束したことも説明。国交省と佐賀県は今後の協議の進め方について、事務レベルの確認作業を始めているが、国交省は了解を得られた場合は速やかに予算化したい方針。
 岸田座長は終了後、国交省と佐賀県の協議について「方向性が見いだされつつある。整備には佐賀県の理解と協力なしに進めることは困難で、国交省には丁寧かつ粘り強く協議してほしい」と話した。
 20年度予算案に盛り込む整備新幹線関係の国費については2年連続増額となる804億円とする方針を報告、了承された。人件費の高騰などで北陸新幹線と長崎ルートは従来の想定より計3451億円膨らむ見通し。貸付料(JRが国に支払う施設使用料)の前倒し活用の中で想定金利を見直し財源を捻出した。