世界に誇る“松浦の技術” ラグビーW杯会場の屋根に

2019/09/20 [13:00] 公開

スタンドを覆う白い部分が「ふっ素樹脂膜材」を使った屋根=福岡市博多区、レベルファイブスタジアム(中興化成工業提供)

 20日に開幕するラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の12会場のうち3会場の屋根に、松浦市の中興化成工業松浦工場で製造した「ふっ素樹脂膜材」が使われている。世界のトップ選手が集う大会に「松浦の技術」が貢献している。
 同膜材は、グラスファイバー繊維の生地にフッ素樹脂をコーティングした建築用材。厚さはわずか0.8ミリながら強度があり、紫外線に強く耐久性に優れ、降雨によって汚れが自然に落ちるなどの特性がある。屋根材として東京ドームにも使用されている。
 ラグビーW杯の会場では、日本-アイルランド戦などが行われる静岡県袋井市のエコパスタジアムや、福岡市のレベルファイブスタジアム、熊本市の熊本県民総合運動公園陸上競技場の3会場の屋根材に採用された。
 同膜材を製造しているのは国内では同社だけで、世界でも3社しかない。同社は「強度や耐久性があり、洗浄が要らないなど安心で、コストパフォーマンスも優れている。世界に誇れる“日本の技術”が松浦で培われていることを知ってほしい」としている。

厚さ0.8ミリの「ふっ素樹脂膜材」。国内では松浦工場だけで製造(中興化成工業提供)