「田結浮立」230人が勇壮に 無形民俗文化財

2019/08/26 [00:00] 公開

勇壮に掛打ちを披露する保存会会員=諫早市立飯盛西小体育館

 起源は奈良時代にまでさかのぼるとされる県無形民俗文化財「田結(たゆい)浮立」の奉納踊りが25日、長崎県諫早市飯盛町の市立飯盛西小であった。保存振興に取り組む田結浮立保存会(田平満会長)の総勢約230人が、黒鬼面をかぶり白装束姿で天地に祈る「掛打ち」や「蛇(じゃ)踊り」などを奉納した。
 五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する諫早藩の御用浮立で、300年以上の歴史がある。多彩な芸能があることが特徴。今年は3年に1度、盛大な踊りを披露する「本浮立」を迎え、地元の神社など5カ所で奉納される予定だったが、雨天のため同校のみの開催となった。
 大勢の観客が見守る中、「道具廻し」では、装飾された長さ約2メートルの竹を持った演者が風を切るような動きで斜めに進み、放り投げた竹を別の演者が上手にキャッチすると、大きな歓声と拍手が送られた。
 同町川下地区の仲間11人と道具廻しを披露した市職員、川浪俊樹さん(44)は「今後も、地域の先人の誇りや思いを次世代に継承したい」と話した。