功績しのび 墓前に献花 平戸で按針忌

2019/05/27 [00:03] 公開

三浦按針の墓に花を手向ける参列者=平戸市、崎方公園

 徳川家康の外交顧問を務めた英国人ウィリアム・アダムス(日本名・三浦按針(あんじん))をしのぶ按針忌が26日、長崎県平戸市大久保町の崎方公園であり、参列した約80人が功績をたたえた。

 黒田成彦市長や臼杵市の関係者らが出席。臼杵のわき水でたてられた茶が供えられ、参列者が墓に花を手向けた。主催する民間団体「国際交流HIRAの会」の井上隆会長(63)は「参列者も年々増え、按針を通じ新たな絆が広がるのがうれしい」と話した。

 東京の団体「ザ・ウィリアム・アダムス・クラブ」のロビン・メイナード会長からは、按針の顕彰事業に役立ててほしいと、150万円が市に寄付された。

 按針はオランダ船リーフデ号に航海長として乗り組み、1600年に現在の大分県臼杵市付近に漂着。造船技術など知識の豊富さから家康の信任を得て、神奈川県横須賀市に領地を与えられた。平戸にオランダや英国の商館が開設される際も活躍。20年に平戸で没した。

 平戸市は来年の没後400年を前にした2017年、公園内の墓地の発掘調査を実施。その際出土した人骨の鑑定では欧州人男性と断定され、按針の可能性が高いとみている。