明治安田J2第11節第1日(27日・トランスコスモススタジアム長崎ほか=4試合)V・ファーレン長崎は鹿児島と0-0で引き分け、連勝は2で止まった。通算成績は4勝3分け4敗(勝ち点15)。順位は前節の10位から暫定9位となった。
V長崎は風下の前半、危ない場面をGK徳重の好判断で切り抜けると、後半は序盤から前線にボールが収まり始め、決定機も生まれた。後半6分、2人をかわした大竹の右クロスを遠いサイドで待っていた呉屋が左足で合わせたが、わずかに枠の外。18分には亀川、磯村、新里とつなぎ、最後は澤田がペナルティーエリア内からゴールを狙ったが、サイドネットに外れた。鹿児島もセットプレーやミドルシュートで惜しい場面をつくったものの、ゴールを割ることはできなかった。
山形は福岡を1-0で下し、勝ち点を21に伸ばした。愛媛-甲府、琉球-町田はいずれも引き分けた。
第11節最終日は28日、7試合を実施。第12節は5月3~5日、各地で計11試合が行われ、V長崎は5日午後3時から東京・味の素スタジアムで東京Vと対戦する。
■GK徳重、好セーブ連発 故郷のチーム相手に奮闘
意地と意地がぶつかり合った鹿児島との九州ダービー。V長崎は猛攻をしのいで、0-0で引き分けた。これで4戦負けなし。手倉森監督は「ホームで勝ち点3を挙げられないのは残念だが、負けなくて良かった」とホッとした様子だった。
気を吐いたのが鹿児島出身のGK徳重。生まれ故郷のチームを相手に「いろいろな感情が湧いてきた。でも、プロとしてそういう感情をなくして挑んだ」。風下の前半はフォーメーションが特殊な相手の攻撃陣をつかめずに「我慢する時間が続いた」が、いつも通り好セーブを連発。集中を切らさずに無失点に貢献した。
開幕戦から唯一、フル出場を続けている。第4節甲府戦、第9節岐阜戦はPKを阻止。どの試合もビッグセーブで支えてきた。指揮官が「ゲームの状況を読めて責任感がものすごくある。助けられている」と認めるベテランの守護神は、この日も辛抱強く耐えて流れを渡さなかった。
鹿児島との再戦は7月27日、鹿児島市の白波スタジアム。「小学生のころからプレーしていた憧れの舞台。そこに立てるようにこれからも頑張っていく」(徳重)。試合のたびに実直に向き合う35歳は、V長崎のゴール前に立ちはだかり続ける。