歌人、草野源一郎氏しのび本明忌 諫早愛した心受け継ぐ

2019/04/09 [00:20] 公開

草野源一郎氏の歌碑に酒を注ぐ出席者=諫早文化会館そば

 長崎県・諫早の自然や人々の営みを平明に詠んだ歌人、草野源一郎氏(1924~2012年)をしのぶ第5回本明忌(諫早市文芸協会主催)が7日、市内であった。草野氏が主宰した「やまなみ短歌会」の会員ら約20人が、古里諫早をこよなく愛した師の心を受け継ぐことを誓った。
 草野氏は開業医の傍ら、諫早文化協会長などを歴任。草野氏の歌集「本明川」にちなんだ本明忌は毎年、4月6日の命日前後、碑前祭と歌会を開いている。
 宇都町の諫早文化会館そばの歌碑が建立されてから今年で20年。出席者は、近くのサクラが散りゆく様子を見つめながら、碑前に日本酒を杯に注いだ。
 同協会の吉岡乱水会長は「短歌や俳句などの短詩形文学は、みんなが心を合わせて楽しむ出合いの文学。源一郎先生も人の輪を喜び、市民の文化発展を望んでいるだろう」と述べた。草野氏の長女、黒木いづみさんは「歌誌『やまなみ』を読むと、若い人も活躍し、うれしい」と礼を述べた。