人口減対策など公開討論 学生ら企画 近く動画配信

2019/03/24 [10:18] 公開

 長崎市長選(4月14日告示、21日投開票)の立候補予定者による公開討論会が23日、同市文教町の長崎大文教キャンパスであり、人口減少や産業振興などについて意見を交わした。
 地元学生らでつくる実行委(佐野陽祐代表)が、政治に対する若者の関心を高めようと企画し、約100人が参加した。
 現時点で立候補を表明している5人のうち現職の田上富久(62)、県議の高比良元(66)、前市議の橋本剛(49)、元市議の吉富博久(74)-の4氏が登壇した。市民団体代表の寺田浩彦氏(57)は不参加。4氏は壇上の学生たちと意見交換しながら考えを述べた。
 田上氏は人口減少を食い止めるために「魔法の方法はない」とし、企業誘致やMICE(コンベンション)誘致による交流人口拡大など多様な施策が必要と話した。高比良氏は人口減少対策は「市単独ではなく、県や国の力も引き出さないといけない」として、市民の可処分所得を増やす住宅政策なども重要と語った。
 橋本氏は、雇用の受け皿拡大に向け「デジタル産業の波に乗らないといけない」と語り、ITと造船を組み合わせた海洋関連産業の育成を今後の鍵に挙げた。吉富氏は、人材定着に向け、都市部との給与格差を埋めるための市の施策をはじめ、企業の市外移転を食い止めることや、農水産業の振興が必要と強調した。
 討論会は今月中にも、動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信する予定。

長崎市長選の立候補予定者と学生が意見を交わした公開討論会=長崎市、長崎大文教スカイホール