学びやとの別れ惜しむ 五島・玉之浦小が閉校式

2019/03/03 [00:02] 公開

 本年度末で143年の歴史に幕を下ろす長崎県五島市玉之浦町の市立玉之浦小(入江友彦校長、13人)で2日、閉校記念式典があり、児童や卒業生らが学びやとの別れを惜しんだ。

 1875(明治8)年創立。昭和初期には全児童数が800人を超える年もあり、これまでに同校を巣立った卒業生は3千人以上。近年は児童が減り続け、2004年から複式学級が編成されていた。新年度から同町内の市立平成小と統合し、市立玉之浦中に併設される。

 式典では入江校長が「玉之浦では地域全体で児童を見守る。この教育力があれば、今後も前向きな子どもが育つ」とあいさつ。児童たちは思い出深い行事や学習内容を一人一人発表し、「玉之浦をもっと大事にしていきたい」などと宣言した。会場には、昔の行事の様子を捉えた白黒写真なども展示され、卒業生らが懐かしそうに眺めていた。記念碑の除幕式もあった。

 玉之浦小の卒業生で、現在は3人の子が同校に通う出口勇志(たけし)さん(39)は「通学する途中に磯で遊んだり木の実を食べたりしたのが懐かしい。閉校は寂しいけど、今後も地域の人と一緒に玉之浦を守りたい」と話した。

記念碑を除幕する児童ら=五島市立玉之浦小