「朝鮮通信使」テーマに写真展 仁位さん撮影 長崎市役所で30日まで

2024/04/20 [12:03] 公開

「朝鮮通信使」をテーマに写真展を開いた仁位さん=長崎市役所

 江戸時代に朝鮮から日本へ派遣された外交使節「朝鮮通信使」をテーマにした写真展が、長崎市役所19階ギャラリーウォールで開かれている。市在住の写真家仁位孝雄さん(83)が、通信使の足跡をたどって撮影した写真や資料を43枚のパネルにまとめた。30日まで。
 会場には海峡を越えてきた通信使が入港した佐須奈(対馬市)をはじめ、立ち寄った名所、ゆかりの人や品をとらえた写真が並ぶ。
 今回は、朝鮮が対馬に送った「訳官使」にも注目して展示を構成した。江戸時代に通信使が来日したのは12回だが、訳官使は対馬藩の慶弔や通信使往来の打ち合わせなどのために57回来島した。仁位さんは「朝鮮と対馬の関係が強まり、通信使を下支えしたと言える。果たした役割が、もっと広く知られてほしい」と話す。
 仁位さんは県職員だった1989年、故郷の対馬へ赴任したのをきっかけに、対馬を往来した通信使をテーマに写真を撮るようになった。個展は2002年から。県内だけでなく、東京や福岡、韓国の釜山などでも開き、37回目となる。
 開催する度に解説を自ら書いたり、「ここにも縁が…」といった新たな情報が寄せられたりするため、通信使についての見方が深まり、さらに撮影しようと意欲が湧くという。
 入場無料。28日午後1時半からは市役所2階多目的スペースで仁位さんの講演がある。