九州高校野球 20日に佐賀で開幕 長崎日大 「投手軸に守り勝つ」

2024/04/17 [10:30] 公開

長崎日大が誇る投手二枚看板、西尾(右)と三丸=長崎市、県営ビッグNスタジアム

 第154回九州地区高校野球大会は20日、佐賀市の佐賀県立森林公園野球場で開幕する。推薦枠の選抜出場校と各県代表の計16校が25日まで熱戦を繰り広げる。
 長崎県からは今月上旬の県大会を制した長崎日大が6季連続29度目の出場。第2日の1回戦(21日16時)で昨秋の九州王者の熊本国府と対戦する。「守り勝つ野球」で一戦必勝を誓うチームの横顔を紹介する。

 県大会は準々決勝以降の3試合をすべて1点差で制した。創成館との準決勝は延長十回タイブレーク、海星との決勝はサヨナラ勝ちするなど、大会を通じて勝ちきる強さを培っていった。今回も平山監督は「九州の強豪と対戦できるいい機会。試合を通して力をつけていってほしい」と一層の成長を期待している。
 チームを支えているのは層の厚い投手陣。140キロ台中盤の直球を誇る西尾、三丸の両右腕をはじめ、計算できる投手がそろった。日本代表候補の西尾は県大会の準決勝で完投。四死球がらみで失点して「メンタル面で課題が残った」と反省しきりだったが、直球の威力、スライダーの鋭さは群を抜いている。三丸は県大会で26回を投げて1失点。切れのある変化球を生かして、決勝は完封した。打たせて取るタイプの渡辺、球質のいい宗らも成長しており、県大会のチーム防御率は0.98だった。
 守備は県大会で計3失策。ミスは少ないが、県大会準決勝では勝負どころで2失策を記録した。捕手山田が全体を落ち着かせながら、二遊間の川原、長船を中心に取れるアウトを確実に積み重ねて、守備からリズムをつくっていく。
 攻撃をけん引するのは好機に強い3番三丸、県大会で打率5割の4番加藤。川渕、松藤ら1、2番の出塁率を上げて、中軸の2人につなぎたい。長打力のある林田、故障から復帰したリードオフマンの立石らの活躍も期待される。全体的に「飛ばないバット」の影響で長打が減っているだけに、機動力を駆使して1点を大事に取っていきたい。
 組み合わせは厳しく、初戦が熊本国府、勝てば東明館(佐賀)-鹿児島実の勝者となった。平山監督は「いかにロースコアに持っていけるかが勝負。投手を軸に、自分たちらしい守り勝つ野球をしていきたい」と一戦必勝を誓っている。