〈裏金事件の実態は解明されていない〉93％〈関係議員の処分が軽い〉65％〈首相が処分されなかったのは納得できない〉78％。日米首脳会談の“得点”が評価されたか、内閣支持率はやや上向いたとはいえ、依然として危険水域の低空飛行が続く▲これだけさんざんな数字が続くと、妙な免疫がつきはしないかと世論調査の結果を見ながら心配になった。そんな中、きょう告示される衆院の3補欠選挙▲自民党は長崎3区で“不戦敗”を選択した。もう一度だけ書く。たとえ次の総選挙でなくなる選挙区であっても政権党が選択肢を提示できないこと、有権者の審判から逃げることは責任放棄に等しい。忘れまい▲選挙は野党同士の一騎打ちが見込まれている。県内の国政選挙では初めての構図だ。自民党“1強”の緩みやほころびが繰り返し表面化しているのに、なかなか“多弱”を抜け出せずにいる野党各党だが▲関係者はきょうの記事をよく読んでほしい。次期衆院選の望ましい結果を問われて〈与党の多数〉と回答した有権者は2割に満たない。もちろん、野党が数字に気を良くしているだけではおそらく何も変わらない▲いつもの攻撃相手がいない長崎3区補選はいつもの政権批判や疑惑追及の“その先”が試される選挙になる。本気の論戦を望みたい。（智）