長崎原爆資料館リニューアル、意見公募結果を公表 「投下に至る歴史」最多132件 市「慎重、丁寧に議論」

2024/03/23 [10:00] 公開

リニューアルに向けた基本計画案について議論する運営審議会の委員ら=長崎市平野町、長崎原爆資料館

 長崎市は22日、2026年度以降に予定する長崎原爆資料館(長崎県長崎市平野町)のリニューアルについて、基本計画の素案に対するパブリックコメント(意見公募)の結果を公表した。市内外の160人が計237件を提出。過去の日本の戦争加害責任を含む「原爆投下に至る歴史に関する展示」への意見が最も多く、過半数の132件に上った。
 市は歴史展示に関わる意見について「引き続き公開の場で、慎重かつ丁寧な議論を積み重ねる。(24年度以降の)設計段階の参考とする」と見解を示した。
 同館運営審議会の本年度第3回会合で説明した。パブコメは昨年12月11日~今年1月10日に実施し、提出者は地域別に▽市内104人▽市外54人(県内11、県外43)▽不明2人。年代別では多い順に60代39人▽70代36人▽20代28人-など。
 加害責任については、日本が第2次世界大戦前からアジアを侵略した歴史を伝えるよう求める意見の一方、これらの削除や修正を求める声もあった。市は基本計画の最終案で「戦争には被害と加害の両方の側面があり、多角的な視点から考えられるよう客観的事実に基づき展示する」との方針を明記している。
 市は3月中に基本計画を策定し、その後公表する。24年度の基本設計で、具体的な展示構成や内容を固める予定。7、8月には児童生徒を含む多様な市民らを招いたワークショップを開き、展示の具体化に向けた意見や要望、アイデアなどを集める。