谷川氏(衆院長崎3区)が議員辞職願 裏金事件「認識甘かった」 指示の有無は明言避ける

2024/01/23 [10:15] 公開

議員辞職願提出後の記者会見で、県民に対するおわびを述べ、頭を下げる谷川氏=22日午後4時、大村市内

 自民党派閥のパーティー裏金事件を巡り、政治資金規正法違反の罪で略式起訴された谷川弥一衆院議員(82)=長崎3区、7期目=は22日、議員辞職願を衆院議長に提出した。大村市内で記者会見し、販売ノルマ超過分のキックバック(還流)を政治資金収支報告書に記載しなかった理由について「(同法に対する)認識の甘さがあった」と謝罪。派閥から指示があったかは「私が悪い」と繰り返し述べ、明言を避けた。
 辞職は26日の国会で許可される見通し。公選法の規定に基づき4月28日に補欠選挙が行われる公算となった。
 谷川氏は会見冒頭、「このような事態に至ったことは、自身の認識の甘さがあったと深く反省している。応援してくれた支援者、全ての国民の皆さまに対し、深くおわび申し上げる」と頭を下げた。
 多額のパーティー券を販売してきた理由について「(派閥内で)力をつけ、本県が抱える課題を処理したかった」とし、閣僚を目指す上で「資金を集める力と、しっかり勉強して堂々と論陣を張れることは普通のことだと思った」と説明。自ら創業した建設会社で券を売りさばく「システム」の存在を明らかにした。
 還流金の私的利用は否定したが、過去には政治活動費として使ったと説明。不記載に関する派閥の指示の有無については「(本県選出の)国会議員の政治活動にマイナスになる可能性がある」などとして回答を拒んだ。
 3区補選の候補者選定には関与しない意向を示す一方、今後の政治活動は「法律上許される範囲内で、何ができるのか考える」と話した。
 裏金事件を巡っては、東京地検特捜部が2018年以降の5年間で安倍派から計約4300万円を受け取ったとして、谷川氏と秘書を同罪で略式起訴した。