「ケブカトラカミキリ」に注意! 長崎県内、食害で樹木の枯損広がる

2024/01/17 [10:10] 公開

被害木の一部。上半分が樹皮をはいだ部分で穴は脱出孔、横の筋は食害の跡

 古賀植木園芸組合(久保田健一組合長)は、長崎県内で庭木や果樹栽培の防風林に多く使われているイヌマキなどを食害する「ケブカトラカミキリ」による枯損事例が広がっているとして注意を呼びかけている。
 同組合によると、ケブカトラカミキリは体長1センチほど。チョウセンマキとナギの木も食害する。人に害を及ぼすことはないが、幼虫が樹皮の下の「形成層」と呼ばれる水の通り道を食べることで、木が水不足になり、葉が黄色く変色したり、ひどい時には枯死したりする。
 県内では約5年前に諫早市で確認された後、沈静化していたが、おととしから松浦市鷹島町で被害が拡大し、長崎市古賀地区でも確認。昨年は平戸市や佐世保市、西彼杵郡でも被害が見られるようになったという。
 感染した木を放置すると、脱出したケブカトラカミキリが近隣の樹木に産卵し拡散していく。対策としては伐採してチップにするか、焼却が最も効果的。14日は古賀地区の鬼火の材料として2トントラック2台分の被害木を使った。
 同組合では登録農薬の販売も始めており、久保田組合長は「木から出てくる4~6月までに手を打つことが重要」と話した。問い合わせは同組合(電095.837.8182)。