歴史伝える神楽を披露 地域住民が中心に制作 長崎・大村の松原おくんち 

2023/11/20 [11:55] 公開

奉納された「深澤儀太夫勝清 豊穣」=大村市、松原八幡神社

奉納された「深澤儀太夫勝清 豊穣」=大村市、松原八幡神社

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 江戸時代、捕鯨で得た私財を投じて野岳湖(長崎県大村市東野岳町)を築いた深澤儀太夫の功績を伝えようと、地域住民が中心となり制作した神楽の3作目が18日、松原八幡神社(同市松原本町)の例大祭「松原おくんち」で奉納された。
 神楽の奉納は地域住民の交流を深め、子どもたちが伝統文化に触れる機会をつくろうと松原宿活性化協議会(村川一恵会長)が実施。深澤儀太夫の物語を3部作構成で制作し、2年前に1作目の「クジラ捕り」、昨年は2作目の「野岳ため池造り」を発表した。
 3作目のタイトルは「深澤儀太夫勝清 豊穣(ほうじょう)」。野岳湖の恵みを受けた郡地区の豊かな自然や、人々のにぎわいをイメージした。
 小学生を中心に約20人が舞や笛、太鼓などで出演。祭りばやしを思わせる音色に合わせ、扇を手にした子どもたちが情緒たっぷりに舞を披露した。境内に詰めかけた観客からは「もってこい」とアンコールの掛け声が飛んだ。
 出演した市立松原小3年の木下咲空さんは「みんなでタイミングを合わせて舞うことができた。(披露して)楽しかった」と笑顔を見せた。村川会長は「松原にはまだたくさんの題材があるので、今後も取り入れながら(神楽を)作っていきたい」と話した。
 松原おくんちは奉賛会が主催し、19日まで続いた。「浦安の舞」の奉納や子どもたちによるソーラン節の演舞などもあった。神社周辺は露店が並び、住民でにぎわった。