長崎大 経済学部を文教キャンパスに移転検討 片淵の売却資金で建物整備

2023/07/28 [11:00] 公開

 長崎大の河野茂学長は27日、経済学部を現在の片淵キャンパス(長崎市片淵4丁目)から文教キャンパス(同市文教町)に移転する方向で検討していると明らかにした。片淵キャンパスは売却し、その資金で同学部と多文化社会学部、情報データ科学部が使う建物を新たに文教キャンパスに整備する構想。
 長崎地域の産官学7団体トップによる長崎サミットで「スピード感を持って検討する。片淵キャンパスの文化的遺産は大切にし、跡地活用についても地域住民に安心、期待いただけるようにしたい」と述べた。ただ河野氏は9月末で退任するため、具体的な議論や手続きは「次期学長に引き継ぐ」とした。
 3学部の移転を巡っては当初、長崎港沿いの県営駐車場(同市常盤町)を候補地に検討。だが人口減少が急速に進む中、少なくとも10年先となる移転は運営リスクが大きいとして6月に断念していた。
 同大の関係者は取材に「学内で本格的な議論が進んでいるわけではない」としつつ「新学長の下で選択肢の一つとして議論されるだろう。今回の構想は大学単独で判断できるので(交渉相手がいたこれまでの移転案と比べ)実現性は高いのではないか」と話した。