長崎県内で季節外れのインフル流行 全国3番目の多さ コロナ対策緩和が要因か

2023/06/16 [11:00] 公開

インフルエンザ流行状況(2022~23年シーズン)

 長崎県内で季節外れのインフルエンザが流行している。県の15日の公表によると、6月5日の週の感染者は前週比94人増の331人。定点あたりの報告数は4.73人で全国3番目の多さだった。県によると、2011~12年シーズン以降、6月に流行期の目安とされる「1人」を超えたのは初。
 道ノ尾病院(長崎市)感染対策部長の安岡彰医師(感染制御、呼吸器感染症)は「複数の要因が考えられるが、新型コロナウイルス感染症が5類に引き下げられ、対策が緩和された影響が大きいのではないか」と指摘する。
 県内ではインフルエンザの感染者を70医療機関で定点把握。報告数10人が注意報、30人が警報の目安だ。6月5日の週の保健所別報告数は多い順に▽西彼7.33人▽長崎7.12人▽県央7.00人▽県南5.13人▽県北3.25人▽壱岐2.33人▽佐世保2.09人▽対馬1.33人▽五島0.25人▽上五島0人。
 22~23年シーズンは2月6日の週に最多の17.86人となり、以降は減少傾向で5月1日の週に1人を下回った。ただコロナが5類になった5月8日の週から増加傾向。学級閉鎖などの休業措置数は6月5日の週が13に上った。
 安岡医師は「新型コロナ対策でインフルエンザも抑え込まれていたと考えられる。さらにこの時期はインフルエンザワクチンの効果が薄れる」と指摘。「現時点では学校などの小さい集団にとどまっており、今後社会全体に広がることは考えにくい。周りに感染した人がいたらマスク着用などの対策をしてほしい」と話す。