光って避難情報お知らせ 聴覚障害者向けにタブレット貸し出し 雲仙市

2023/03/10 [11:40] 公開

雲仙市が運用を開始した避難情報を大きな文字と点滅で知らせるタブレット端末=同市役所

 雲仙市は防災行政無線で発信する避難情報などを、聴覚障害者向けに大きな文字で知らせるタブレット端末の運用を3日にスタートした。市内在住の聴覚障害者に貸し出し、大雨などで警戒レベル3(高齢者等避難)以上が発令されると、画面が赤く点滅し、避難などの対応を促す。
 タブレット(10.1インチ)は、パナソニックコネクト(東京)が同市などからの要望でシステム開発。全国の自治体で戸別受信機の小さな画面に文字を表示する例はあるが、タブレットを本格的に活用するのは同市が初めて。同市では2010年度までに戸別受信機を全戸に貸し出し、現在は転入者などに設置を促している。
 タブレットは、同市が把握している聴覚障害者に希望を聞き取り、34人に貸し出した。戸別受信機から得られる防災、市政情報を全て文字にして表示、保存し読み直すこともできる。特に全国瞬時警報システム(Jアラート)のほか、災害避難情報は警戒レベル3以上が発令されれば、タブレットの画面が赤く点滅する。
 3日、同市役所でタブレットの実演説明会があり、画面が点滅するのを確認した同市吾妻町の柴田敏明さん(77)は「これからは同居の家族に教えてもらうことなく、自分で情報を得られるのでとてもうれしい」と手話で話した。