知事選


■東氏が出馬断念を正式表明 高比良氏も立候補見送り、橋本氏へ一本化

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出馬断念を正式表明する東良信氏=長崎市元船町、サンプリエール
 知事選に立候補を表明していた前ルーマニア大使、東良信氏(61)が立候補断念を正式に発表。意欲を示していた民主党県議の高比良元氏(57)も出馬を見送り選挙構図がほぼ固まった。前農水省改革推進室長の橋本剛氏(40)の陣営には一本化と分裂選挙回避を歓迎、安堵(あんど)する声もあるが、どこまで追い風になるかは未知数だ。

 「票を食い合ってしまう。団結しないと変えられないと考えた」。7日、長崎市内で開いた記者会見。橋本氏を支援する理由を問われた東氏はさばさばとした表情でこう述べた。同席した民主党県連の渡辺敏勝幹事長は、県連から東氏に連携を打診したことを明かし「金子県政の流れを変えようと考え、若い橋本氏に託してくれたのは心強い」と胸を張った。

 東氏の出馬断念は事実上、既定路線とも言える状況だった。推薦願を出していた民主党は橋本氏を擁立。その後連携を目指した新知事をつくる県民の会も前副知事の中村法道氏(59)を擁立した。立候補予定者が年末年始に街頭で顔と名前を売っている間も東京に戻るなど動きは鈍く、運動を支えた支援者も次々に離れた。「金子原二郎知事が4選に出馬し、それに反発する保守系の反金子勢力と民主党勢力のみこしに担がれ(金子知事を破って)当選する構想が崩れた」。ある自民党市議は東氏の心中をこう代弁する。

 会見で「昨年末から数回にわたり橋本氏と連絡を取っていた」とした東氏だが、12月26日には自民党県連会長の北村誠吾衆院議員(比例九州)らも同席し長崎市内で中村氏とも極秘に会っていた。中村氏の選対関係者は「降りる前提で両陣営をてんびんに掛けていたのではないか。何かポストでも用意されたのではないか」と東氏の姿勢を批判する。東氏はこうした見方を否定するが、ある労組幹部は「ポストを用意し降ろしたのではというイメージが広がらないか気掛かりだ」と話す。

 さらに東氏の協力がどこまで橋本氏の支持拡大につながるか陣営内にも懐疑的な声が多い。ある民主党市議は「東氏が降りる理由を見つけてあげただけで、大した意味はない。支援の広がりはあてにしてない」と冷ややかだ。一方、自民党県連の小林克敏政調会長は「選挙に何ら影響を与えない、東氏自身の混迷だ」と一笑に付した。

 一方、高比良氏の立候補見送りについて民主党県連関係者は「分裂選挙によるイメージ悪化を回避できてよかった」と安堵の表情を浮かべる。ただ高比良氏は「県政推進にすべてを懸けるという思いを遂げたい。誰を支援するかは今後決める」と、なお明言を避けている。

2010年1月8日長崎新聞掲載