福建会館天后堂 120年ぶり大規模改修

2019/01/26 [00:00] 公開

 修復工事が進められていた長崎市館内町の福建会館天后(てんこう)堂(市指定有形文化財)の竣工(しゅんこう)式が25日、同堂であり、1897(明治30)年の再建当時の姿によみがえった建物が出席者に披露された。
 「福建会館」は中国・福建省出身の貿易商によって1868(明治元)年に組織された商工団体で、当時は「はちびん会館」と呼ばれた。航海の守り神である媽祖(まそ)を祭る天后堂を69年に建立。97年、老朽化のため天后堂を再建したのを機に、団体名を「福建会館」に改めた。
 修復工事は約120年ぶりの大規模工事として2017年8月に始まり、昨年11月末に完了した。長崎市の補助事業で、総工費約1億円。同会館は長崎ランタンフェスティバル(2月5~19日)の期間中、唐人屋敷会場の一つとして、「ロウソク祈願四堂巡り」などのイベントに使用される。
 竣工式では修復工事の設計担当者が、劣化の激しかった敷居を新しくしたことや、柱の基礎部分にモルタルを注入して柱の長さを調節したことなど工事の内容を説明。出席者は堂内を見回しながら聞き入っていた。
 長崎福建会館の陳東華理事長(74)は「120年前の大規模工事の時、私の曽祖父(そうそふ)が会長だった。縁を感じる」と感慨深げ。「全国からランタンフェスティバルに来る観光客に見てほしい」と願っていた。

修復された福建会館天后堂=長崎市館内町