パレスチナ駐日代表が長崎で講演 被爆地の訴え「強力なメッセージ」、連帯を求める

長崎新聞 2025/08/09 [11:30] 公開

飢餓も発生するガザ地区の人道危機について、図を描きながら説明するワリード・シアム氏=長崎市桜町、県勤労福祉会館

飢餓も発生するガザ地区の人道危機について、図を描きながら説明するワリード・シアム氏=長崎市桜町、県勤労福祉会館

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長崎市の平和祈念式典に参列する駐日パレスチナ常駐総代表部のワリード・シアム代表(大使)が8日、市内で講演した。ガザ地区はイスラエル軍の攻撃で民間人の死傷や飢餓など人道危機が深刻化しており、「戦争ではなく絶滅行為だ」と抗議。被爆地長崎に対し、非核非戦の訴えが「破壊と人権侵害に対する強力なメッセージになる」として連帯を求めた。

 イスラエルは2023年10月、イスラム組織ハマスによる民間人急襲を受けてガザへの侵攻を始めた。シアム氏は、ガザ地区の7割が破壊された上、食料の補給路も断たれて「子どもが砲弾だけでなく飢餓で死んでいる」と訴えた。

 ハマスを「抵抗運動」と表現しつつ「私は(23年10月に)ハマスが行ったことを正当化しない」と言及。「どんな市民を殺すことにも反対だ。抵抗はイスラエル軍に対して行うべきで、市民に行われるべきではない」と強調した。

 事実上の核保有国イスラエルは6月、核開発を進めるイランの核関連施設を攻撃し、米国も加わった。シアム氏は「イスラエルは核兵器を保有し、地域をコントロールしようとしているが世界平和の障害。私たちは中東の非核兵器地帯化を求めている」と述べた。

 シアム氏は「戦争の恐ろしさや、核なき世界を求める緊急性を伝えてきた長崎をたたえる」とする一方、長崎市が今年の式典に招いたイスラエルを念頭に「戦争犯罪に加担し、支援する国の指導者は平和の式典に招待しないでほしい」と主張した。