「この代は負けられない」長崎北10年ぶりV 長崎北陽台に10-8 県高校新人ラグビー

2025/01/27 [10:03] 公開

【ラグビー決勝、長崎北陽台-長崎北】後半24分、長崎北のWTB道端が左中間に逆転トライ=佐世保市東部スポーツ広場

【ラグビー決勝、長崎北陽台-長崎北】後半24分、長崎北のWTB道端が左中間に逆転トライ=佐世保市東部スポーツ広場

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ラグビーの県高校新人大会最終日は26日、佐世保市東部スポーツ広場で決勝が行われ、長崎北が長崎北陽台に10-8で競り勝ち、10年ぶり12度目の優勝を飾った。両校は全国高校選抜大会の代表権(6枠)を懸けた全九州高校新人大会(2月15~18日・福岡)に出場する。
 ラストワンプレーまで勝敗の行方が定まらなかった一戦。前半は風上の長崎北陽台が敵陣で試合を進め、4分にFB長瀨がPG、22分にフッカー末岡がトライを決めて、8-0で折り返した。後半は長崎北がSO向井悠を軸に反撃。2分にロック岩﨑のトライで3点差に詰めると、24分にWTB道端が左中間に逆転トライを決めた。
 この日は両チームともにミスが目立ち、反則数も長崎北が7、長崎北陽台が11。いずれも課題が残る試合になった。

◎思いの強さで逆転勝ち

 ノーサイドの瞬間、グラウンドの選手、ベンチ、スタンドに歓喜の輪が広がった。長崎北が長崎北陽台を2点差で振り切って、10年ぶりに県王座に返り咲いた。「正直、ホッとした。自分たちの代では絶対に負けられないと思っていた」。主将のSH北嶋が弾む声で仲間たちの思いを代弁した。
 苦しい展開だった。副主将のフッカー高元が「みんな緊張でガチガチだった」と振り返ったように、前半はFW戦で受けに回ってしまい、プレー選択などのミスも続いた。0-8とリードを許して折り返した。
 後半2分に3点差に詰めた後も一進一退の攻防が続き、このままノーサイドかという雰囲気になり始めた24分、この日最大のチャンスが来た。思い切りのいい連続攻撃で前に出て、最後は素早く大外に展開。長崎北陽台のディフェンスが甘くなったところを逃さず、WTB道端が逆転トライを決めた。
 この日の勝利は就任10年目の向井雄監督にとって感慨深い1勝になった。「今季はこれまで指導してきた中で力的に別格のチーム。だから、チャンスは逃せないと思っていた」。その決意を胸に選手たちと向き合い、長男の向井悠が司令塔を務めるチームで、自身初となる県内主要大会のタイトルを獲得した。「7年前に引き分けは1度あったけれど、10年間で北陽台に勝てたのは初めて。それが一番うれしい」。苦労人は言葉をかみしめながら、穏やかに笑った。