“化学の甲子園” 県勢初の金賞 細見さん(長崎東高)にメダル授与

2022/02/10 [11:30] 公開

金賞を受賞した細見さん=長崎市立山5丁目、長崎東高

 高校生以下の学生が化学の実力を競い合う全国大会「化学グランプリ」(「夢・化学-21」委員会主催)で長崎県立長崎東高国際科3年の細見萌瑛さん(18)が県勢で初めて最優秀の大賞に次ぐ金賞を獲得。同校校長室で8日、メダルの授与式があった。
 若い化学者を育成しようと1999年に始まった同大会は“化学の甲子園”とも呼ばれる。高校生の学力レベルや基本的な内容を踏まえつつも、教科書では扱わない化学の知識を測るような問題作りが特徴。全国から参加した3257人のうち、119人が最終の二次選考に進んだ。
 細見さんは物事を考えるのが好きで、得意科目は化学と数学。解き方をひらめいた時、「あっ! うれしい」という快感があるのが理由だという。2年時の夏から大学入試対策のために化学問題の添削指導を受けている田中正和教諭(39)に勧められ、腕試しのつもりで挑戦した。
 受験勉強とは違い、化学反応の仕組みについて深く掘り下げてくるような設問の連続。濃度が違う食塩水が入ったビーカー二つのうち、どちらが高濃度かを調べる実験方法を五つ考える問題などは「考えが頭には浮かんでも、うまく言葉にして説明する難しさもあった」と苦笑する。
 教え子の偉業を喜ぶ田中教諭は「数々の鋭い質問に、こちらも鍛えられた。大学でこの経験を生かしてもらえたら」とエール。細見さんは「将来は研究系の仕事に就きたい」と意欲を語った。
 大賞は全国5人、金賞は18人が受賞。銀賞17人、銅賞40人。本県では青雲高3年の辻圭一郎さんも銅賞を受賞した。