長崎スタジアムシティ開業1年 460万人来場「想定通り」…にぎわい周辺に波及も、平日の来場者数増が課題

長崎新聞 2025/10/14 [11:40] 公開

約2万人の観客が駆けつけたV長崎の開幕戦(2月15日)=長崎市、ピーススタジアム

約2万人の観客が駆けつけたV長崎の開幕戦(2月15日)=長崎市、ピーススタジアム

  • 約2万人の観客が駆けつけたV長崎の開幕戦(2月15日)=長崎市、ピーススタジアム
  • 9月に開催した音楽フェスには県内外から多くの人が集まった=長崎市、長崎スタジアムシティ
  • 昨年8月に浜町のアーケードで開催したPVの様子(長崎市提供)
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長崎市幸町の大型複合施設「長崎スタジアムシティ」が14日で開業1年を迎える。サッカースタジアムとアリーナを中核に、ホテルやショッピング施設、オフィスを備え、市中心部に一つの「まち」が生まれた。民間主導の地域創生事業として全国的に注目される中、1年目(9月末時点)は約460万人が来場し「想定通り」(運営会社)のスタートを切った。新たに生まれたにぎわいを周辺にも波及させるために、行政をはじめ市全体の協働が課題となる。

■倍 増
 スタジアムシティは、大手通販ジャパネットホールディングス(HD、佐世保市)が総事業費約1千億円を投じて建設した。

 中核の「ピーススタジアム」はサッカーJ2、V・ファーレン長崎の本拠地。最大収容人数は前本拠地のトランスコスモススタジアム長崎(諫早市)の約2万人と同じながら、「日本一ピッチに近い座席」が人気を集め、交通アクセスも向上。1試合当たりの平均観客数は前本拠地と比べ倍増の約1万6千人になり、平均試合収入は4倍に跳ね上がった。

 6千人収容の「ハピネスアリーナ」はバスケットボールB1、長崎ヴェルカの本拠地。ヴェルカの試合はほぼ満席で、アウェー戦も大型ビジョンで観戦しながら飲食も楽しめるイベントを開き、にぎわいを生んでいる。

 年間を通しホームゲームがあるのはV長崎とヴェルカを合わせて50日ほど。試合が行われる休日は約3万人が来場する一方、試合のない平日の来場者数を増やすことが課題だ。

 アリーナとスタジアムでは音楽イベントも開催できる。懐かしい名曲をアリーナで楽しむ「ザ・ゴールデンステージ」を8月から開始。平日昼間に来場できる中高年層をターゲットに据え、毎月約千人を集めている。

 音楽イベントは年内の予定も含め約80回開催。9月6日に開いた若者向けのフェスティバルは盛況となり、来場した西彼長与町の20代女性は「長崎でこんなに盛大なフェスが見られるとは」と喜んだ。担当者は「会場が同じ場所なので改善点が見えやすく、クオリティーも高められる」と話す。

■影 響
 スタジアムシティホテル長崎(全243室)の試合日の稼働率は100%。最大300人規模の修学旅行も受け入れた。スタジアムシティを運営するリージョナルクリエーション長崎の岩下英樹社長は「軌道に乗り始めた」と評価。宿泊者のうち訪日客の割合は1割程度だが、案内の多言語化などに取り組み、受け入れ強化を目指す。

 同社はスタジアムシティ全体の収支を公表していない。

 スタジアムシティの開業で周辺施設に波及効果が生まれている。近くの「みらい長崎ココウォーク」(茂里町)の入館者数は、スタジアムシティでイベントが開かれると増加する傾向にあるという。担当者は「バスセンターを併設しているのは当館の特長の一つ。公共交通機関の利用につなげられるよう連携を図りたい」

 アミュプラザ長崎(尾上町)も、スタジアムシティで試合がある日は、レストランで飲食したり「かもめ市場」で土産を購入したりする人が目立ち「良い影響」があるとする。2024年度の売り上げは開業以来過去最高を記録した。運営会社のアミュ長崎は「街全体を盛り上げるため、スタジアムシティと共に頑張りたい」としている。