ATMで携帯通話の自粛を 「還付金詐欺」の手口と気付いて 長崎など3県警呼び掛け

2021/12/19 [10:30] 公開

3県警で作製したポスターを示しながら、ATM付近での通話自粛を通行人に呼び掛ける警察官(中央)=長崎市万屋町

 「STOP! ATMでの携帯電話」。今年被害が急増し、全国の特殊詐欺の被害件数が最も多い還付金詐欺を食い止めようと、長崎県警と福岡、佐賀両県警は合同で、現金自動預払機(ATM)コーナーで携帯電話の利用自粛を呼び掛けている。
 還付金詐欺は市職員などを名乗り、医療費や年金の払い戻しを口実にATMに誘い出し、電話で操作を指示しながら現金を振り込ませる手口。11月末現在、県内の被害認知件数は21件と昨年同期の1件から急増。被害額も75万円から約1463万円に増えた。
 通話していなければ被害に遭わない手口のため、3県警はATM付近での通話を遠慮するよう呼び掛けるポスターを作製。金融機関に掲示を依頼している。
 年金支給日の15日、長崎県警は十八親和銀行観光通支店(長崎市万屋町)前で、同行員や長崎財務事務所の職員らと、チラシや防犯グッズを配りながら銀行利用者や通行人に取り組みを周知した。
 県警生活安全企画課の金子龍太郎調査官は「(通話自粛を)社会のマナーとして浸透させることで、ATM付近での携帯使用は被害に遭っているかもしれないと気付くきっかけになり、周囲も声掛けしやすくなれば」と話した。