口加高「じゃカステラ」・活水女子大「まるでバナナ」最高賞 長崎嚥下食デザートコンテスト

2021/11/30 [12:30] 公開

一般の部グランプリのチーム口加高校(写真上) エンジョイクリミール部門グランプリのチーム活水女子大=長崎市、市東公民館

 食べ物を飲み込む機能が病気や加齢で低下した摂食嚥下(えんげ)障害の人向けに考案したレシピを競う長崎嚥下食デザートコンテストで、一般部門はチーム口加高校の「じゃカステラ」、栄養補助飲料を使ったエンジョイクリミール部門はチーム活水女子大の「まるでバナナ」がそれぞれグランプリに輝いた。
 同障害の啓発や食べやすい食品の開発に取り組む医療、介護、食品関係者らの市民団体「ゆめカステラプロジェクト」(三串伸哉代表)が昨年から開催。今年は23日に長崎市内で実施した。今回、栄養補助飲料をおいしくアレンジしようとエンジョイクリミール部門を新設した。
 学生や介護施設の管理栄養士、在宅介護をしている人から計31作品の応募があり、両部門各4組が決勝へ。作品に込めた思いや工夫した点を発表した後、プロジェクトのメンバーが試食し、味や見た目、食べやすさなどを審査した。
 チーム口加高校の池田亜依花さん(18)は福祉科3年で、昨年に続き2度目の挑戦。病院調理師の父、晋作さん(52)とともに、島原半島特産のジャガイモをスイートポテト、ペースト、ポテトチップスパウダーにして混ぜ、低温で焼いてなめらかなカステラに仕上げた。亜依花さんは「前回指摘を受けたやわらかさに気を付けた。リベンジでき、うれしい」と話した。
 チーム活水女子大は、バナナとバナナ味の飲料を混ぜてゼラチンで固め、見た目から食欲を引きだそうとバナナそっくりに成形。食生活健康学科4年の元島綺乃さん(22)は「実習先で患者さんから『栄養剤じゃなく口から食べ物を食べたい』と言われたことがきっかけで参加した。将来、管理栄養士になって病院で提供できたらうれしい」と話した。
 後日、レシピ集にして福祉系の学校や介護施設などに配布予定。