米先住民居留地「ナバホ」も核被害 開発巡る記録映画 長崎大で上映

長崎新聞 2025/11/30 [10:30] 公開

米国の先住民の暮らしやウラン採掘について語るドゥーリーさん(奥右)とウマヤムさん(同中央)=長崎市、長崎大

米国の先住民の暮らしやウラン採掘について語るドゥーリーさん(奥右)とウマヤムさん(同中央)=長崎市、長崎大

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米国の核開発に使われたウランの鉱山がある先住民居住地の暮らしを追ったドキュメンタリー映画「ウェイズ・オブ・ノウイング-ナバホの核の歴史」が28日、長崎市文教町の長崎大環境科学部の授業で上映された。来日中の製作者で、米国の核政策研究者ラブリー・ウマヤムさん(38)と映画に登場する先住民の長老サニー・ドゥーリーさん(64)が上映後に登壇。放射性物質による健康被害や環境破壊、そこからの再生について語った。

 映画の舞台は米南西部の先住民居留地「ナバホ」。この地のウラン鉱山では1940~80年代、採掘が大規模に行われた。何百人もの労働者が放射線被ばくに関連する病気で死亡。鉱山跡地の除染は進まず、地下水が汚染されるなど、今なお生態系が脅かされているという。

 ウマヤムさんは10年ほど前まで、米政府職員として核兵器の拡散防止や核物質の盗難・流出を防ぐ核セキュリティーに関わってきた。退職後、ドゥーリーさんと出会ってナバホの実態を知った。核によって国を守るはずが、「環境を破壊し、国民を傷つけていた」と驚き、映画製作を思い立った。

 ドゥーリーさんは伝統的なナバホの世界観や生命観を伝える「語り部」として活動している。「ナバホの人々は、大地を祖先から受け継いだ聖なるものとして大切にしてきた」と語った。鳥や虫、草木などの自然を敬う生き方が映画の中でも描かれた。核被害からの環境再生や人々の癒やしの手掛かりを、そうした伝統的な世界観に求めている。

 映画は2016年から製作され、新型コロナ禍の中断を経て今年完成し、米国内外の映画祭で公開。長崎は、23日に日本初公開となった広島に続く上映となった。